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それは、一通の小包から始まった。あるマンションの一室、女子大生の村上利恵(木築沙絵子)は、愛人の広川と激しく抱き合っていた。高まる二人の背後のTV画面から流れてくる映像。 それは、利恵の友人である元子(橋本杏子)である。元子は、海辺のリゾートホテルから、メッセージ・ビデオを利恵に送ってきたのである。冬場の客足の殆ど途絶えた、あるホテルが、若者を対象に無料招待のサービスをしているというのである。TV画面の無邪気な元子は利恵に、ホテルに来るようにと誘うのであった。 そして、一人、利恵は海辺のホテルへと向かった。ホテルの名前は「汀ホテル」。 人気のないホテルには、フロントに添田というボーイが一人いるだけである。 添田は、利恵に一枚のカードを引かせる。「スペードのA」。添田の眼が不気味に光った。部屋に入った利恵は、愛人の広川を想い、思わずオナニーに耽ってしまう。激しく動く指。利恵の歓喜の表情。 そのあられもない痴態を隣室の壁穴からじっと覗く添田であった…。
とあるスナックに小林和美(カユ)、島田末子(ゴジラ)、このスナックのチィママ、大塚礼子(レナコ)、そしてコジラの恋人の轟裕二が集まっていた。カウンター席では今日も食事をとっていた。三人はかつてカユが高校生の頃、恋人として付き合い、処女を捧げようともした深谷浩志の二年ぶりの帰省を待っていた。カユは浩志との初体験失敗以来、他の男との関わりもなく現在、正真正銘の処女だった。 やがて浩志は一人の女性を連れて現れた。カユは用意していたプレゼントのマフラーを後に隠した。 翌日、スーパーマーケットでバイトするカユのところへ上司の細井孝行が声をかけてきた。カユの用意していたマフラーはカユの断るのもかまわず細井がメーカーまでに出かけて工面してきたのだった。が、あの日以来カユはそのマフラーを自分で巻いていた。そんな姿を見た細井はマフラーが誰かのプレゼントではなくて安心した、とこぼす。カユはまだ細井の想いには気付いていなかった。