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里緒菜は悶々としていた。夫の隆史が取材旅行に出掛けてもう一週間。何の音沙汰もないのだ。一流企業に勤めていた隆史は、趣味で写真を撮っていたのだが、ある時それが認められて以来、雑誌のカメラマンになったのだった。山や海の一瞬見せるか見せないかの、自然の表情を撮影するために、一度出てしまうといつ帰ってくるか分からない。里緒菜は、そんな隆史をただ待つだけの生活に、嫌気が差し始めていた。