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好色文学で有名な萬木澄人の妻・夏子は夫の小説を読んだことが無い。結婚のときに「僕の小説を絶対に読まない」ことを条件にされたからだ。ある日、友人の三宅待子に夫の新刊本を渡される。いたずら心で待子は本の内容を教える。作家と妻の異常なセックスが描かれている、というのだ。ショックを受けた夏子は、夫に違う内容を書くようにと叫ぶのだった。数日後、夏子はレコード店で万引きしている男を目撃した。その男は、時折り夫へ原稿を見せにくる石母田章だった。見逃した夏子を、章はお礼にとスナックへ連れて行く。若い男たちが群れを成し、男たちの体臭で満ちているような店内は彼女の官能を刺激した。店を出て衣料店に入った。小説の主人公が万引きをする、そのくだりを実行してみようというのだった。男もののパジャマを盗むと興奮しながら逃げ出した。帰宅して万引きしたパジャマを夫に着せると、欲情した夏子は激しく求めていった。より刺激が欲しくなった夏子は、石母田に連絡する。他の男に抱かれてみたいという欲望にかられていた。連れていかれたのは、秘密クラブだった。そこでの光景に夏子は異様な興奮を感じるようになっていた。澄人は石母田からあるクラブの女たちの話を聞いた。興味を持って案内されていくと…。
筋骨隆々、逞しい肉体が自慢の張形馬太郎は、女流彫刻家・大場カメのモデルになったことから、彼女の遠縁の加代子と見合することになった。加代子は過去に二度結婚の経験があったのだが、夫婦生活が以上に強く、相手の男は二度とも加代子の精力に応えることが出来ず、命からがら逃げだした、というくらいの「性豪」なのだった。馬太郎は自信満々に初夜に臨むが、久しぶりの獲物にハッスルする加代子の猛攻にあい、口ほどに無くノビてしまうのだった。馬太郎では相手にならない加代子は、満たされない欲求を抑えることが出来ないまま、隣家の友人の美江や女中の花子とともに男たちに猛アタック、だが男たちは次々とダウン。その一方、馬太郎は巻き返しをはかって、猛訓練の日々を送っていた…。
バー・エロチカのホステス鮎子には建設会社社長野村というパトロンがいた。二人のセックスは、鮎子のアパートからマンションの情事を覗いて以来、常に他人の情事を覗き見なければ燃えないという異常なものになっていた。今日も望遠鏡でマンションの情事を覗いて、変態じみた野村との行為に燃えながら、マンションでの生活を夢見ていた。野村にうまく取り入って念願のマンションを買ってもらった。そんな時、偶然鮎子は幼ななじみの卓二と再会する。一流モデルであると嘘をついて卓二を驚かすのだった。野村にはない若い肉体の卓二にしだいに惹かれていった鮎子はマンションで関係を結ぶ。望遠鏡で、会社社長津田と秘書令子の情事を覗き見ながらの行為だった。卓二は株で穴をあけてしまいどうしても二百万円必要であると、巧みに鮎子の自尊心をくすぐりながら借金を頼んだ。鮎子は断り切れない。しかし二百万円といえば大金で、野村には断わられてしまった。鮎子はアパート時代に覗き見た千枝の情事をネタに、彼女を脅迫して五十万をせしめる。そして残りの五十万は津田から教えられた売春で稼ぎ出し、卓二に百万円を渡した。収まらないのが千枝だった、逆に鮎子と卓二の情事の現場を写真に撮る…。
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発売日 | 2018年7月20日 |
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